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ココにも怒っているヒトが・・・ 

ストレプトカーパス 090828_cIMG_2907
少し前に買ったまま、積んでおいた本を一昨日から昨日にかけて一気に読んだ。海堂 尊さんの『極北クレイマー』だ。

個人的には極北市(架空)に来た速水晃一(『ジェネラル・ルージュの凱旋』)と、同じく「北」へ向かった桜宮小百合(すみれ)がどう絡むのか期待していたけど、今回はそれはなし。謎めいた『螺鈿迷宮』のエンディングに張り巡らされた伏線がちょっと分かってきただけだった。

それはさておき、
映画化された作品しか見ていない方はピンと来ないかもしれないが、この人の作品には一貫して、今日の「医療崩壊」に対する厚労省やマスコミの姿勢への静かな怒りがある。
産科医療の問題では、『ジーン・ワルツ』で医療行政を『極北クレイマー』でマスコミをそれぞれ焦点にしている。

物語の末尾に、医師によるマスコミ対応が立て続けに二つ配されていて、海堂さんの主題がむき出しの形で読者にぶつけられる。
特に、最後の記者会見で記者たちに突きつけられる糾弾は、医療現場だけのことではないような気がする。

***** 以下引用 *************************************
「今の質問は、あなた自身の取材の結果に基づいていますか?」
「同僚からの情報もかなり含んでいますが」
「では答えます。あなたもジャーナリストなら自分の足でかせいだ内容で質問すべきでしょう」
****************************************************

海堂さんが「日本人の総クレイマー化」と述べたものが、今日の政権交代を招いたとすれば、それはひょっとして集団ヒステリーに過ぎないのか。あるいは、政権交代がこの傾向を反転させることになるのか。医療だけでなく、各分野での日本社会の傷み具合と重ねずにはいられない作品だった。
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テーマ: オススメの本
ジャンル: 本・雑誌

2009.09.07 Mon 08:19
カテゴリ: 本を読む
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