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二つの水の恐怖 その2 

F 桃畑 満開 髻山城北にて 110508_cIMG_9614
昨日のエントリ「二つの水の恐怖」で取り上げた高濃度汚染水の問題について、メディア各社から早くも続報が出始めた。しかし、よく読んでみると読者の十分な理解を妨げるような記事が目についたので、あちこちの情報を拾って検討してみた。

これは、比較的早い段階(5月14日(土)18時6分配信)の続報で時事通信社のものだけど、「1号機建屋地下に大量汚染水=原子炉格納容器から漏出―福島第1」というタイトル通り、新たに見つかった水を「格納容器から地下に漏れていた可能性が高い」のひと言で、1号機だけの問題に矮小化してしまった。格納容器の水位が示せないのに、その水量を根拠なしで5800トンとして次のような計算を披露する。
「汚染水が半分程度たまっている場合、量は約3000トンに上る。また、1号機圧力容器には累計1万トン超を注水したが、格納容器には約5800トン程度しかないとみられ、約5000トンの水や水蒸気が格納容器から漏れたと推定されるという」
この計算は合っているのだろうか? 実は、コレは文章上のトリックだ。5800トンが仮に正しいとして、注いだのが10000トンぴったりなら不足分は4200トン。だけど、これと地下で見つかった3000トンがどう関係するかは、よく見れば書いてない。計算が合わないことがわかっているからだろう。正確には「・・・3000トンに上る。」のところで文が切れるのだが、書き手は読者が勝手に次の文と関連づけることを期待して(誘導して)いる。しかし、自らは慎重に関連性を書くのを避けていので、問題にされても「なに一つウソは書いてない」と言えるだろう。実にお見事・・・なのか、もしこれが故意でないとすれば、文が下手なのだろう。(笑)
つまり、時事は「足りない水の大半は地下にあった」と思わせたいらしいのだが、憶測を動員して書いてみても水量の辻褄があわないので、最後は錯覚に期待したのだろうが、ジャーナリズムとしては努力の方向を間違っているだろう。

次に、毎日新聞が5月14日(土)21時55分に配信した「福島第1原発 格納容器から漏出か…1号機汚染水」の記事。これは、現場付近の線量なども書かれ、上の記事より情報量はやや多いが、タイトルをみて分かるとおり、本文でも東電の松本純一原子力・立地本部長代理の「水の所在が分かったという意味では前進。(以下略)」のコメントを引用して、やはり「5000立方メートル程度の行方が分からなくなって」いる水が地下の水だと示唆する記事になってしまった。

これらに対して、5月14日 19時19分付けのNHKは、「1号機 建屋の地下に大量の水」と題して「東京電力は、この水が格納容器から漏れ出した高濃度の汚染水の可能性があるとみて、今後、水の放射線量や放射性物質の種類を詳しく分析するとともに、水の処理方法を検討したいとしています」と報じた。
前の毎日記事より時間的にはさかのぼる報道で、たまり水が1号炉由来であろうという推測を伝えている点は同じだが、こちらの方が深い。たとえば、「建屋の地下で水のようなものが西から東に向かって流れているのが見え、水位は4メートル20センチに達しているとみられる」という情報は、これが単なるたまり水ではないことを示唆している。
地下に閉じ込められた空間に流入した水が「流れる」とすれば、渦か対流だろうが、この場合はいずれのケースでも相当量の水の流入を示唆する。しかし、一方ではその空間が「閉鎖されていない」可能性も示唆されるだろう。つまり、どこかに流入口と流出口があるのだ。いずれの場合でも、目で見て分かる「流れ」となれば相当量の水の動きがあるのだろう。NHKは、「流れ」の情報ひとつで、単に「1号炉の水がそっくり地下に溜まっていた」とは読み取れない報道になっている。これは、後段の「2000ミリシーベルト」の線量計測とあわせて考えれば、意識して組み立てたものだろう。
NHKはまた、5月14日 22時17分に「3号機取水口付近 濃度2300倍」という報道で、原発の外に汚染水が放出される様相を報じている。

オイラは、これだけを例にNHKをヨイショするつもりはないが、たまたま「水」への関心ではNHKが他のメディアよりトータルで考えているらしい。

比べると、読売新聞が5月14日(土)13時9分に配信した「2号機汚染水の移送進むが…逆に4センチ上昇」という記事などはお粗末だ。
要約すれば「2号機の作業用トンネルにたまる高濃度汚染水移送は、努力しているのに水位が移送開始時より4センチ上昇した」という記事なのだが、東電から出された数字をパッチワークしたとしか思えない。途中の中断があるにしても移送量が「毎時10トン」なら、「原子炉に注入している毎時7トンの水の漏出など」があったとしても一ヶ月近く経って水位が上がるはずがない。計算してないのだろうか?
正確に言えば、ここで読売も慎重な表現を使って逃げているのだ。本当は注入している水が問題なのではなく、「・・・など」とされる部分が毎時3トン程度(注入水の蒸発分も考えればもっと多くなる)以上あるから水位が上昇しているのだが、それを追及する能力がないか、何か別の事実の暴露を恐れて妥協的な文にしたのだろう。2号炉以外のどこから、この水は来ているのだろうか、これをきちんと考えるべきだ。
しかも、注入している水が、一応炉心に入って温度上昇を止めているという建前なのだから、上記の記事は2号炉に注入した水のほぼ全量が漏れ出していることを暗に認めていることになる。それはそれで事実の暴露だが・・・(笑)

以上の記事の行間を冷静に読めば、福島第一原発で起きていることはこうだ。
予想されたことだが、各原子炉に毎日たくさん注いでいる水は、少なくとも1・2号炉では、都合良く炉内に留まっていることなく、流入量の大半が圧力容器から流れ出していている。おそらく3号炉だけが奇跡的に助かっていることはないだろう。圧力容器の水位が低いので、炉心は相当程度(1号炉は全量)が溶け崩れているため、漏出する水には粒状または粉末状の放射性物質が多量に含まれている。ここまでは、前のエントリで書いたとおりだ。
2号機のトレンチ排水が、2号炉自体に注いだ水量を上回る水の流入によってうまくいかないことや、1号機の地下で見つかった水が「流れている」可能性があること、さらには先日止められた汚染水の海への流出(2号機付近)と、今回懸念される3号機付近からの同様の流出から、福島第一原発の地下には、かなりダイナミックな地下水の動きが想定できる。この水の動きは、津波と雨水の浸透分・原子炉に注入している水・周辺から流入する地下水が主な供給源となり、移送・蒸発・海や周辺への流出によって供給に釣り合う量が消えて行っている。津波の浸透分がすでに抜けきったかどうかは地下水の基礎データがないので判断できないが、ひとまず通常時よりはまだ含水量が多いと見れば、正確に言えば現時点では供給量よりは出て行く量が若干多いだろう。しかし、一定のスパンで考えれば必ず水収支は合う。だから、入った水の量をできるだけ把握すれば、行方不明分の水の量も推定できるわけだ。

このことから、放射性物資の拡散を少しでも止めようとするならば、福島第一原発内部での水の作法について、個々の原子炉だけにとらわれることなく、総合的に把握することの重要性がますます見えてきたと言えるだろう。東電や政府は、これに取り組むつもりはないのだろうか?

~「その3」に続く・・・予定~

【註】原発がらみの話題には、抗議の意をこめて、四季折々の美しい日本の自然の写真を添えていきますので、ご了承くださいネ。 美しい日本を取り戻そう! 自然な未来を考えよう。
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テーマ: これでいいのか日本
ジャンル: 政治・経済

2011.05.15 Sun 18:02
カテゴリ: ひとりごと
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